
2月末までに作品として仕上げようと思っていた2つの作品ですが・・・。諸事情により作るのを中断。
上記の画像は作品にする前に腕を慣らすための練習を兼ねて、レイアウトを考えているところ。
ファンデーショナル体でドイツ語。この作品ですが、だいぶ前に購入したドイツ語のことわざ集から引用しています。1998年にドイツ語の正書法が一部改訂となりました。この本はそれ以前に出版されたものなので、もしかしたら、現在のドイツ語とは少し違うところがあるかもしれません。
ドイツ語の作品を作ろうと思った理由は二つ。そのうちひとつはしようもない理由なので内緒。もう一つはファンデーショナル体でエスツェットを書いてみたかった。
エスツェットというのはドイツ語でよく見られる文字で、見た目はギリシア文字のβ(ベータ)に似てますが、全く違うものなので、気をつけてください。
ファンデーショナル体を選んだ理由は・・・。
簡単に言ってしまうと、ファンデーショナル体はカリグラフィーを学ぶ上で重要な書体のひとつだから。その重要なファンデーショナル体を使った作品を作りたいと思ったの。もちろん、いくつかファンデーショナル体の作品は作っているのだけど・・・改めて作っておきたかったのです。
書体選びは色々と悩みますよね。ソレはともかく。
今日はエスツェットの話でも少し・・・。
このドイツ語のエスツェット、実はロングSとショートSのリガチャーです。ギリシア文字のベータではありません。
ロングS?
ショートS?
リガチャー?
だと思います。私もカリグラフィーをやってなかったら「???」です。
私はエスツェットが「ss」であることを正書法改正の時に知りました(因みにこのときはまだカリグラフィーをやってませんでした)。
因みに、ドイツ語の場合は「ss」と綴るかエスツェットを使うかはきちんと正書法で決まってますので、エスツェットが「ss」のリガチャーだからと言って、「ss」の綴りを見て、なんでもかんでもエスツェットにしてしまうと、綴りの間違いになってしまいますので、気をつけてください。
以下、追記にします。
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さて、ロングSですが・・・簡単に言ってしまうと、
ロングSは普通の「s」(ショートS)が変形した形。
文章だけだとどんなものなのか分からないですよね。
私の書いたファンデーショナル体のロングSを紹介します。
上記の作品を書くのにエスツェットが出てきたので(そういうのを選んだのだけど)、まずは、ロングSとショートSを書いてみて、それからリガチャーをしてみることにしました。その時に書いたモノです。
<要注意>以下にお見せする画像はあくまで、私が書いたファンデーショナル体に合わせて書いたロングSです。書体によって、あるいは、同じファンデーショナル体でも書き手によって、雰囲気が違ってくると思います。ロングSを書くのであれば、ご自身の書いた文字に合うロングSを書いてください。

左がロングS。
私自身はロングSを滅多に使うことがありません。
読めないから。
では、どんなときに使うか・・・。
私個人の意見なので、人それぞれだと思います。あくまで私の場合。
・スペーシングなどの問題で、やむを得ず。
・ドイツ語の文章で、ドイツ語っぽさを出したいとき。
・歴史など昔のことを書いている文章で、古くささを演出したいとき。
・作品全体のデザインとして。
・「自分はロングSを知っている」と自慢したいとき(笑)
最後の理由はどうでもいいんだけどね。あとは、私はやったこと無いのだけど、昔の写本を模写するときとか、かな。
結局の処、あまり読んでもらえる文字ではないので、使わないようにしています。
このロングSですが、使い方も決まっていますので、ご注意を。
リガチャーとエスツェットについてはまたいつか・・・。
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